イベントスチル

 

 

 

   

宇賀神

 

これがデスサイズのベレッタ……

薄汚れてはいますが、死神の鎌の名に相応しいものを感じさせます。

   
くそ……返、せ……!
   
 

撃たれた肩の痛みに耐え、オレはM1910を、宇賀神のこめかみに当て、引き金を絞ろうとして、それが粘った。

J Jのベレッタを向けられ、手元が狂ったのか……本当のところはわからないが、オレには何故かそんな気がしていた。

   
宇賀神 これで終わりです。
   
梓  あ――
   
  今度こそ、ベレッタの銃口がオレの額に押し付けられる。
   
梓  (……駄目だ。この銃に狙われたら、もう助からない)
   
 

J J――『デスサイズ』。 その強さと冷酷さを、オレは五年もの間、ずっと側で見てきた。

J Jに命を狙われ、無事に済んだ者はない。 なら、自分もその例外ではないだろうと……そう思っていた。

だが、今となっては、自分こそが、例外そのものではなかったか。

   
宇賀神 無意味な人生でしたね、遠野……
   
無意味じゃない……オレが、ここで死にもの狂いで生きてきたことは……!
   
宇賀神 いいえ、無意味ですよ。残念ですが……その声は、誰にも届きません。
   
  ベレッタの引き金が―― 雷管を叩く音が、響く――